SBT認定についてもっと知る

世界に通用する脱炭素経営の証SBT認定

 

 

脱炭素への企業姿勢を問われる時代に

かつて製品・サービスの評価基準といえば、はやい(速・早)、やすい(易・安)、うまい(巧・旨)でした。良し悪しが直感的にわかりやすい評価軸だったといえます。

しかし、それらは当たり前の時代になり、プラスアルファの評価軸が新たに加わっています。それは、「脱炭素経営に積極的」かどうか。取引先、国・自治体、投資家・金融機関、就職希望者……といったステークホルダーの視線が、今そこに注がれています。

 

 

 

国際イニシアティブへの参加が有効

自社が「脱炭素経営に積極的」であることを、どうすれば理解してもらえるでしょうか。

CO2に代表される温室効果ガス(GHG*)の排出量可視化は、脱炭素経営の「初めの一歩」として重要ですが、企業の規模や業種によって「多い」「少ない」の基準は異なるなど、わかりやすさは今一つ。雰囲気で「環境に良い」と訴求する「グリーンウオッシュ」に対する世間の警戒心も高まっています。

*:当社ウェブサイトでは特に必要な場合を除き、温室効果ガス(GHG)を便宜的に「CO2」と表現しています

そうしたなか、脱炭素経営への積極姿勢を世界の誰に対しても明快に発信できる方法があります。それが「国際イニシアティブ」への参加です。

国際イニシアティブとは、平たく言うと、国際標準の取組みのことです。公正中立な専門機関が運営しており、万国共通の基準でなされる評価や審査は、国家の体制や価値観を超えた、権威あるものとして受け止められています。

脱炭素経営と関わりの深い気候変動関連の国際イニシアティブは、例えばCDP、TCD、RE100、SBTなど様々ありますが、なかでも中小企業にとって取得しやすい認定制度を設けているのが「SBTイニシアティブ」(SBTi)です。

 

 

 

国もSBT認定を推奨

SBTとは「Science Based Targets」(科学に基づく目標)の各単語の頭文字を取ったものです。

温室効果ガス削減をめぐっては、「科学的根拠をもとに、いつまでにどれだけ減らしましょう」という国際的な合意**があります。その取り決めに沿った目標を立てて努力する企業に、SBTiから付与されるのが「SBT認定」です。

**:2015年開催の国連気候変動枠組条約COP21で採択された「パリ協定」。世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて 2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標(「1.5℃水準」の目標)を定めています。

SBT認定については環境省もWEB上で詳しく紹介しており、取得企業の一覧表を公表して、国内企業に強く推奨しています。また、大企業を中心に、取引相手に対してSBT認定の取得または同等の取り組みを要請するところも増えてきました。そうした要請に応えられなければ取引から排除されるおそれがあるため、SBT認定は脱炭素経営時代における命綱ともいえそうです。

 

 

SBT認定を取得するメリット

弊社の支援でSBT認定を取得した企業からは、財務・非財務の両側面における以下のようなメリットが報告されています。

財務面のメリット:

  • 公共事業の入札補助金申請で加点要素に
  • 脱炭素のための設備投資で受けられる補助金の上限額緩和、補助率アップ
  • 金融機関による融資枠の拡大貸付金利の優遇
  • 既存取引先との関係強化、新規取引先の開拓

非財務面のメリット:

  • 環境志向企業としての信頼性・ブランド価値の向上
  • メディアへの露出機会が増えるなど注目度上昇
  • 求人に対する応募者増、優秀な人材の獲得
  • 従業員の士気向上

 

 

 

取得企業は急増 要件は次第に厳しく

SBTiの構成団体の一つである世界自然保護基金(WWF)の日本における活動を担うWWFジャパンによると、SBT認定の取得、またはコミット(約束)をした日本企業は2024年8月末現在、世界一の1,283社に達し、このうち中小企業は962社で約75%を占めています。

下図はWWFジャパンのWEB記事(https://www.wwf.or.jp/activities/news/5561.html)からの引用ですが、認定を取得した国内企業の数は、2022年度以降の各年度とも前年度の2倍を上回る急増ぶりです。

これについて同記事は、

  • 大企業を起点としたサプライチェーン全体での脱炭素が進みつつあることを示している
  • 科学に沿った削減活動をしていないと、グローバルなサプライチェーンから外されてしまう、という危機感が背景にある
  • きちんとパリ協定に沿った脱炭素行動をとっていることを対外的に示すには、こうした国際認証を取ることが最も効果的な手法

と指摘しています。

 

また、同記事によると、SBT認定を取得した中小企業は2024年3月8日時点で728社にのぼっていますが、それでも国内約336万事業者のごく一部に過ぎません。いま取得しておけば「業界初」「地域初」を謳(うた)うことができ、脱炭素経営に積極的な姿勢を競合に先駆けて鮮明に打ち出せるでしょう。今後予想される取引先からのSBT認定取得要請にも備えられます。

逆に、SBT認定を取得せずにいると、上述したメリットの数々を享受できないだけでなく、事業機会が失われるおそれのあることもご紹介しました。従来の評価軸でいかに優れた製品・サービスを提供できたとしても、これからの脱炭素経営時代では競合に後れをとりかねません。

加えて、以下に例示するように、中小企業版SBT認定の申請要件は年々厳しくなる傾向にある点には注意が必要です。

  • 2022年7月、CO2排出削減目標の基準が、産業革命前からの気温上昇を「2℃を十分に下回る水準 に抑える」から 「1.5℃に抑える」へと厳しくなりました
  • 2024年から、以下のうち三つ以上を満たさない企業は対象から外れることになりました
    1.従業員数250人未満
    2.総売上高5,000万ユーロ未満
    3.総資産2,500万ユーロ未満
    4.FLAGセクター(農林畜産、パルプ・紙、ゴム、食品・飲料加工、生活必需品小売、タバコの各業種)ではない

 

認定取得および取得後に必要なこと

SBT認定を取得したい企業は、自社の事業活動によるCO2排出量を算定し、少なくとも「1.5℃水準」を満たす削減目標を立てます。そのうえで、自社が申請要件を満たしている証拠を揃え、英文でのWEBフォームを提出しなければなりません。

とはいえ、「中小企業版SBT認定」の申請は、より規模の大きな企業が対象の「通常版SBT認定」に比べて、申請手続きが大幅に簡素化されています。例えば、申請時に算定すべき自社のCO2排出量は、燃料の燃焼などで直接発生するScope1と、電力の使用などから間接的に発生するScope2だけで十分です。

ただし、申請に際しては、原材料の調達などサプライチェーン全体で発生するScope3排出量についても、毎年可視化し公表することを約束する必要があります。

このため、中小企業版SBT認定の取得支援サービスを選ぶ際には、「認定を取得するまで」のみならず、「認定を取得した後」のことも考慮されているか確認が重要です。Scope3排出量の算定は難易度が高いので、サポート対象に含まれない場合があるほか、委託できても料金が高額になりがちです。

 

 

『ファストカーボン』なら認定取得後まで一気通貫

弊社BCT総研の中小企業版SBT認定取得支援サービスは、Scope1・Scope2排出量の可視化、1.5℃水準の削減目標設定や、英文による申請フォームへの対応にとどまりません。認定取得後の約束を履行するための、Scope3の各カテゴリーを含むCO2排出量の算定を自社でもできるツール『ファストカーボン』をお使いいただける点が大きな特長です。

このツールは、脱炭素の専門知識がない方でも、国際標準***の方法でCO2排出量を算定できるよう設計されています。算定2回目からは単純作業主体となり、工数も劇的に減らせるので、いわゆる「自走」が可能です。

***:GHG排出量算定と報告に関する国際規格「ISO14064-3」。『ファストカーボン』は、この規格に照らして妥当であることについて、専門の第三者機関による確認を受けたCO2排出量可視化システムです。

CO2排出量算定を外注すると、毎年、高額のコンサル料金がかかりますが、『ファストカーボン』を導入し自社で算定をしているユーザーからは「限りある経営資源を本業とCO2排出量の削減対策にこそ投入できる」と好評です。

料金も、Scope3までの算定に対応したCO2排出量可視化ツールの提供を含む、中小企業版SBT認定取得支援サービスとしては業界最安水準です。

 

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